……………
僕等はそっと、病院を抜け出した。
向かう先は決まっていた。
途中でタクシーを拾い、行き先を告げる。
タクシーはそこへ向かって走り出した。
…僕等の、最期の場所。
「…体、大丈夫?」
「うん。大丈夫」
そっと僕の肩に寄り添う明日可。
その目は虚ろで、どこを見つめているのかわからない。
僕は、固く明日可の手を握った。
その手が力一杯、握り返される。
…生きることに、意味を見いだせない。
…このまま生きていても、何にもならない。
途中で、親子連れとすれ違った。
母親の手を懸命に握る小さな手。
あの小さな手には、沢山の未来が詰まっていて欲しい。
僕みたいには、決してならないで欲しい。
荒んだ心でもそう思える自分がいて、少しだけ安心した。
…やがてタクシーは、目的地へとたどり着いた。
あの、キャンプ場だ。



