コスモス


明日可の視線を感じる。

「…例えばこの空とか、海だとか宇宙だとか…。そういうものは、永遠な気がする」

空を見つめたまま、僕は言う。

「だけど俺ら人間には、永遠なんてないと思う。…生きてる限り、それが終わる時はくるから」


明日可の前でこんな話をする自分が信じられなかった。

でも、なんだか普通にそれが言えた。
何故だかその話は、僕にとっても遠い気がしなかったんだ。


…ふっと明日可に視線を移す。

黒目がちな瞳が、フェンスの向こうをじっと見つめる。
明日可の膝からずれ落ちそうな毛布に気づき、僕はそれを上げようと手を伸ばした。

明日可の視線が、僕の腕に移る。



…気付いた時には、もう遅かった。



隠そうとした腕を、明日可の細腕が掴む。
どこにこんな力があるのだというくらい、がっしりと掴まれた腕。


「…シュウ…これ…」


僕は何も言わない。

何を言えばいいのかわからない。

僕の無数のやけどの跡に、明日可の視線が痛いほどささる。