呆然とする母さんに向かって、罵声を投げつける。
「うるせぇんだよっ!今更何だよっ!家には出来の良い姉貴がいるんだろ!?だから今までほっといたんだろっ!?今更母親面すんじゃねぇよっ!うぜぇだけなんだよっ!」
そのまま僕は、ドアを思い切り蹴り開けて家を出た。
玄関で母さんの世話してる植木鉢を蹴り倒した気がするが、あまり記憶は定かではない。
…全てが嫌になった。
…全てを、無かったことにしたかった。
…おぼつかない足で、病室へと向かう。
病室から出る看護師さんとすれ違った。
何か声をかけてくれた気がしたが、僕は返事すらしなかった。
病室へ入る。
相変わらず、無表情の明日可。
いつもと同じ様に、椅子に腰掛けた。
「…何か、あった?」
力なく僕に聞く明日可。
「…顔が、シュウじゃないみたい」
そっと、僕の方へ手を伸ばす。
明日可の冷たい指先が、僕の頭を冷やしてくれた。



