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次の日から明日可は、ヒステリーを起こすことがなくなった。
半分くらいは戻してしまうから点滴は外れないが、おばさんが作ったお粥だけは食べるようになった。
いい傾向の様に思えるかもしれない。
でも、決していい傾向だとは断定できなかった。
…明日可の顔からは、表情がなくなった。
相変わらず毎日病室に通い続ける僕に、明日可は言う。
「…永遠って、信じる…?」
…明日可は最近、この事ばかり繰り返し聞く。
そして僕は答えるんだ。
「…わからない」
僕の返事に、明日可は何も答えない。
毎日毎日この繰り返しだ。
しまわれ忘れたこいのぼりも、いつしか姿を見せなくなっていた。
…家に帰った僕は、誰とも顔を合わせない様にし、部屋へ戻る。
いつものようにタバコに火をつける。
吸うためじゃない。
腕に、押し付けるためだ。
刻印が、刻まれる。
…これは、明日可の苦しみだ。
僕の、弱さだ。
まるで儀式の様に、それは繰り返されていた。



