……………
僕たちは屋上へと向かった。
おばさんのいる前では、なんとなく話し辛そうだったからだ。
5月の空は真っ青で、雲一つないいい天気だ。
…この空がイライラする。
汚れのない青空が、僕の心をかき乱す。
「毎日、明日可の所に来てくれているんだよね」
プシュッという音とともに、誠さんの手の中にある缶コーヒーが口を開けた。
「…はい」
僕もそれにならい蓋を開ける。
「じゃあ…明日可がいつもと違うのは、もう気付いているよね」
返事をし損ねた僕を前に、誠さんは話しを続けた。
「…薬がね…もう、効かなくなりつつあるんだ…」
…缶コーヒーが、もう少しで僕の手から滑り落ちるところだった。
すんでのところで力を入れる。
「…それって…」
薬が効かない。
それが、意味すること…。
一呼吸置いて、誠さんは話し始めた。



