僕は、靴も脱がずに立ったままでいた。
足元を見つめる。
ヒロミと、合わす顔がなかった。
「修平!もう何して…」
「あ、お母さんいいですよ」
僕を引っ張りあげようとする母さんを、ヒロミの声が止めた。
部屋から出てきて、僕の肩に手を乗せる。
「…須川。少し外で話そうか」
…僕たちは近くの公園へやって来た。
時間が時間だけに、人気はほとんどいない。
「ちっちゃいなぁ~」
ははっと笑いながら、ヒロミはてつぼうに腰掛ける。
僕は、少し離れたタイヤの上に座った。
近くの家から、焼き魚の匂いがした。
ちょうど、夕食時だ。
「いい匂いだなぁ。腹減ってくるな」
相変わらず笑いながら言ってくるヒロミ。
僕は、目を合わせないまま口を開いた。
「…なんで、何も言わないの?怒ってんじゃねぇの?」
…ここ最近サボってばかりいる僕。
ヒロミの言うことを、僕は何一つ守れてない。
ゆっくりと、ヒロミは言った。
「…怒ってるよ」



