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病院を出て、携帯の電源を入れる。
病院だから電源を切っていたわけじゃない。
現実との通信手段を、切っておきたかったからだ。
新着メールがいくつかある。
…カズ達だった。
学校に来るように促す内容のメール。
悪いと思いながらも、返信はしない。
現実をしっかり生きてるあいつらと、僕はどうしても向き合うことができないでいた。
…家に着くと、見慣れない車が止まっていた。
誰か家に来ているらしい。
…母さんの客かな。
なるべく顔を合わせたくない僕は、急いで階段をあがろうと決意して玄関を開けた。
瞬間、母さんの声が客間から響く。
「あ、やっと帰ってきたのね!」
パタパタと、玄関まで出てくる。
嫌な、予感がした。
「もう、先生ずっとお待ちだったのよ!早くあがりなさいっ!」
…予感的中。
客間から顔を出したのは、久しぶりに見るヒロミだった。



