「…もっと、長いのがいい」
初めて聞いた、明日可の台詞。
「何言って…どうしたんだよ」
戸惑いながら、僕は明日可に聞いた。
「どうもしないよ。今までそんなキス、したことなかったでしょ?」
「でも…」
僕の言葉を遮り、明日可が唇を重ねる。
…いつもより深く、長いキス。
停止した思考回路の中で、僕の耳には警告音が響いていた。
…このまま続けたら明日可は…
「…―っ、明日可っ!!」
力強く明日可の肩を押し、離れさせる。
息の上がった明日可。
呼吸を整えながら、僕は呟く。
「…駄目だって。負担がかかる…」
「キスくらいできるっ!」
突然声を荒げた明日可に、僕は目を見開いた。
「何で…何でそんな心配なんてすんの!?あたしにだってキスくらい…っ!」
「明日可っ」
「何よっ!離してっ!バカにしないでっっ!」
落ち着かせようと肩をつかんだ僕の手を思い切り振り払い、明日可は叫んだ。
「何もかも心配なんてしないでっ!あたしは壊れものなんかじゃないっ!」
…悲痛な叫びが、病室に響く。



