「昨日…ごめんね」
僕の目を見つめたまま、明日可が口を開いた。
「…いいよ」
僕も、優しい口調で答える。
いつもの明日可だ。
そう、思っていた。
「あ、休んでた分のノート持ってきた。ミキが…」
「シュウ」
ふいに明日可が名前を呼ぶ。
取り出したノートを机の上に置き、僕は明日可の方に向き直った。
「どした?」
「…気付かないの?」
じっと僕の目を見つめながら、明日可は言う。
「気付かないって…」
「いつもより、ちゃんとメイクしてんだよ?」
ぐっとさっきより近付く明日可。
一瞬戸惑って、目を伏せる。
いつもよりメイクが濃いことは、気付いていた。
明日可の視線を感じながらも、僕は見つめ返すことができない。
ふいに、明日可が言った。
「…キスしようよ」
思わず顔をあげる。
2人の目線がようやく交わる。
ゆっくりと明日可の顔が近付き、僕等は、唇を重ねた。
…2人の唇はゆっくりと離れ、明日可のその口からは思いがけない言葉がもれた。



