……………
「…ねぇ、これ送ってもらう意味あんの?」
僕の隣を歩きながら、姉貴は呟く。
「夜道は危険なんでしょ?ボディーガードにはなるっしょ」
自転車を押しながら、僕も呟く。
「あたしは、乗せてけって意味で言ったんですけど…」
文句を言いながら、しぶしぶ歩く姉貴。
自転車の音とヒールの音が、夜道に響いた。
…いくら姉貴でも、後ろには乗せたくない。
ここに他の女の子を乗せたくはないのだ。
「…ねぇ、そういえばどうなの?彼女」
ヒールの音を響かせながら、姉貴は聞いてきた。
「…どうって?」
「お母さんから話は聞いてるし」
母さんは、明日可の病気のことを知っていた。
「…どうも変わんないよ」
ほんとは、変わった。
何かが変わっていた。
でも、口に出したくはなかった。
「へぇ…」
それきり姉貴は、その話題には触れなかった。
多分、何か気づいたんだと思う。
…そういう姉が、少し嬉しかった。



