…ミキとばったり会ったのは、その日の昼休みだった。
「わ、須川君!なんか久しぶりだね」
社交辞令なんかじゃなく、ミキに会ったのは本当に久しぶりだ。
「だな。やっぱ明日可来ないとなかなか会わねぇもんだな」
カズもミキに会うのは久々らしく、簡単な挨拶を交わしていた。
「話長くなりそ?先行っとこうか?」
隣にいた二人組の女の子がミキに話しかける。
「あ、うん、ごめんね!」
二人を見送った後、僕はミキに言った。
「…友達?」
「うん…新しいクラスのね。これでもミキ、少しは努力してんだよ?」
へへっと照れくさそうに笑うミキ。
ミキも少しずつ変わっている。
いい方へ、変わっているんだ。
「明日可も早く来れればいいんだけどね。今回の入院は長引いてるみたいだし…」
…僕は、何気ないミキの一言を聞き逃さなかった。
「え?」
顔色の変わった僕を前に、ミキも一瞬で気付く。
「え…もしかして、聞いてないの?」



