コスモス



……………


家に帰り、カバンをベッドの横に投げる。
そのまま僕も、ベッドの上に倒れ込んだ。

寝転がったまま、カバンの中からカズに借りたジャンプを取り出す。
パラパラとめくるが、その動作に意味はなかった。

バサッと、ジャンプで顔を覆う。

…受験、か…。

僕が受験するなんて言ったら、母さんは驚くだろうな。
出来の良い姉とは違って、昔から出来の悪い僕。
放任主義の父さんは、特に何も言ってはこない。

母さんも、始めは少しでも僕の脳のしわを増やそうと塾に通わせたりしていた。
しかし、当の本人が全くもってやる気がないので、次第にあきらめていった。

中学生の頃は、部活のバスケに打ち込んでいたが、高校に入り、それもやめてしまった。


…結果、僕には何も残っていない。


「や…、明日可がいるじゃん」

ははっと笑いながら独り言を言うが、その内容があまりにばかばかしいので、思わずジャンプを床に投げた。

床に転がったジャンプを見つめながら、僕はぼんやりと考える。


…僕の、生きる意味って…。