「俺もあんま考えてなかったんだけどさ。親に受験しねぇんなら就職しろって言われて…まぁ当たり前なんだけど。んで、まぁとりあえず受験かなぁと…」
なんとも適当な考えのタケ。
「俺ははなから受験する気だったよ。行きたい大学あるし」
シャーペンを顎に当てながら、誠二は言った。
「こいつ、千歌ちゃんと同じ大学ねらいなんだぜ?身の程知らずだよな~」
「うるさいなっ!俺はやるっつったらやるんだよ!」
ギャーギャーやる2人を前に、僕は置いて行かれた気分に陥っていた。
カズはもちろん受験するだろう。
日頃からコツコツやってるし、先生もきっと受験を進める。
別に今ジャンプを読んでいたって、カズならなんの問題もない。
…問題あるのは、僕だ。
適当な考えながらも、きちんと行動に移しているタケ。
動機は不純かもしれないが、目標をきちんと持っている誠二。
…じゃあ、僕は?
目標もない。
やる気もない。
いつも目の前のことで精一杯だ。
そんなことでいいのか?
そんなことで、ヒロミの言う『自分の足場』がちゃんと作れるのか?



