「よかった…」
ほっとした様な、ミキの笑顔。
ミキのそんな笑顔は、凄く久しぶりな気がした。
「キスのことも…もう、全部忘れちゃってね。もう…」
「忘れねぇよ」
驚いたミキの顔。
僕も、自分に驚いた。
でも…
忘れるなんて、そんなことできない。
ミキの気持ちを、そんな風になかったことになんかしたくない。
自分勝手かもしれないけど…。
「気持ちには、答えてやれねぇけど…。ミキの気持ちは、ちゃんと届いてるから。忘れるなんて…そんなことできねぇよ」
僕が好きなのは明日可で、それは絶対変わらないけれど、ミキのことだって大切なんだ。
大切な…友達なんだ。
「…ありがとう」
ミキの声は小さくて今にも消えてしまいそうだったけど、僕は聞き逃さなかった。
もう二度と、大切な人の声を聞き逃したくなんかなかった。
…聞き逃したくなんか、なかったのに。



