「…明日可、今職員室なの。休んでた間のことで」
先に口を開いたのは、ミキだった。
僕は、ミキの方をどうしても向けずに、足元をずっと見つめていた。
「…明日可が戻ってくる前に、話すね」
ミキの声が、耳に届く。
げた箱の裏で、女の子達の笑い声が聞こえた。
そんな声を一瞬でかき消すような、ミキの一言。
「…ミキは、須川君が好き」
視線の先にあるすのこが、歪んで見えた。
…わかっていた、事じゃないか。
それでもミキの口から聞き、
初めて実感がわいた気がする。
戸惑う僕を前に、ミキは続けた。
「…旅行の時、キス…いきなり、ごめんね。びっくりしたでしょ?」
小さくミキが笑う。
僕は少し顔を上げた。
…困った様なミキの笑顔。
「…あたしも、自分にびっくりした」
ゆっくりと、ミキは続けた。
「そこまで、須川君の事想ってるだなんて…自分じゃ気付いてなかった」
誰かが玄関を開けたのか、冷たい冬の風が2人の間を抜ける。



