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気付けば今年が去年に変わり、新しい年が始まった。
大晦日は普通に家で過ごし、
初詣はタケ達と出かけた。
明日可は正月は母方の祖母の家で迎えたので、一緒に年を越すことはできなかった。
『あけましておめでとう』
「うん、おめでと」
2人は電話越しに正月の挨拶をした。
『なんかざわついてるね』
「あぁ、タケ達と初詣来てんの。そっちは?家?」
冷やかすタケと誠二を手で追い払いながら、会話を続ける。
『うん。おこたの中』
「うわ~いいな~。外めっちゃ寒ぃよ!?」
『あははっだろうね~』
電話越しでも、明日可の笑顔が目に浮かぶ。
こういう正月も、なかなかいいかもしれない。
『お願い事した?』
「もち」
『何お願いしたの?』
カズが呼びに来たので、座っていた石段から立ち上がる。
「ん~?…内緒」
『え~?教えてよ~』
「やだー」
ははっと笑いながら、カズ達の後ろから石段を降りていく。
願い事なんて、はなから決まってる。
『ちぇーっけちー…っと、ごめん、なんか呼ばれてるみたい』
電話口の奥の方から、おばさんの声が微かに聞こえた。



