コスモス



……………

旅行3日目。

空はあいにくの曇り空。
降るか降らないか微妙なところだ。

「…降らなきゃいいな」

バスの隣に座るカズが、小さく呟く。

バスはゆっくりと市内観光を続けながら、目的地小樽へと向かっていた。

途中で昼食休憩をとり、小樽に着いた時には昼の2時を回っていた。

小樽では、夕方6時まで自由行動。
その後、空港へと向かう予定だ。


…修学旅行最後の1日。

少し寂しさを抱えながら、僕はバスの窓から見える空に向かってシャッターを切った。










「それじゃあ、集合時間に遅れないように。解散!」

…先生の一言を皮切りに、僕たちの最後の1日が始まった。

人混みを見渡しながら、小柄な姿を探す。

キュッと後ろに引っ張られる衝動を感じ、振り向いた。

制服の裾を引っ張るミキ。

ほっとして、笑顔を見せる。

「じゃ、みんな集まったし行きますか!」

観光マップを片手に、カズが言った。



僕たちの、最後の1日が始まる。


…カタコトと、歯車の音を響かせながら。