コスモス



振り返る僕。

そこにあったのは、ミキの笑顔。

いつもと少し、違う笑顔のような気がした。


僕は軽く手をあげて、教室に駆け込んだ。



…席についてふと、あの笑顔は明日可に似てると思った。

いつも一緒にいるから、似てくるんだろうな。

その時は、その程度にしか意識しなかった笑顔。



…後に、僕の思い違いだったことに気付かされる。


ミキの笑顔は、明日可に似ていたんじゃない。


それは、明日可が僕に向ける笑顔に、似ていたんだ。


僕に向ける笑顔…。

いずれその意味を、僕は知ることになる。











…冬の真っ只中。

今年ももう残り少ない。

そんな12月の半ばに、僕たちは北海道へと旅立った。


季節の変化と共に、僕たちも少しずつ変わっていくのかもしれない。

そんなこと、その時の僕は思いもしなかった。

既に歯車が動き始めた事を、誰か気付いていたのだろうか。


僕は何故、気付けなかったのだろうか…。