コスモス



……………

次の日の朝、偶然にもミキとげた箱で会った。
昨日の今日だけに、少しびっくりする。

「…はよ」
「おはよ。珍しいね、須川君がこんな時間に。寝坊?」

ひひっと笑いながら挨拶を交わすミキ。
普段と何も変わらないミキに、胸をなで下ろした。

僕たちは、教室まで一緒に歩いた。


「…もうすぐ旅行だな」

それとなく、話題を移す。

「だねー。あれでしょ、楽しみすぎて既に眠れない日々送ってんじゃないの?」
「なわけねぇだろ!小学生かよ」

あははと笑うミキ。
こいつが人見知り?
今更ながら、笑えてきた。

「…明日可、来れないけど…ミキ、誰と一緒の班になった?」

昨日の明日可との話題を出す。

「ん?同じクラスの三浦さんと本田さん」
「仲いいの?」
「いや、特にね」

あっさりと、ミキは答えた。

瞬間、三波達の言葉が頭をよぎる。


『一線を引いている…』


僕の、明日可の、知らないミキ。

明日可がいない学校で、ミキはどんな気分で過ごしているんだろう。