「瀬堂と話した!?よかったじゃん修平!」

カズが前の席から身を乗り出した。
僕はその勢いに圧倒され、若干体を引く。

「よかったっつーか…」
「何々?瀬堂さんがどーしたん?」

そんな僕達の横から口を挟んできたのは、タケと誠二のコンビ。

…五月蝿いのに見つかってしまった。

僕は心の中で舌打ちをしたが、やむなく2人にも説明する羽目になった。

話が進む内に、2人の顔がみるみる緩む。


「…ってわけ」
「…修平、お前…よかったじゃんかよ~っ!!」
「修ちゃ~ん!」

タケと誠二が飛び付いてきた。
今度は完全に体を引く。

「何がいいんだよ!ただ話しただけで…」
「いやいや、覚えてもらえたんじゃん!前進前進っ!」

ギャハハと笑い、2人が僕をどついてきた。
そのテンションが、徐々に僕の曇った気持ちを晴れさせる。

五月蝿い奴らだけど、この明るさに助けらることもあるのだ。

彼女の彼氏の存在も気になるが、今はとりあえず、知り合いになれたことを喜ぶか…。


次第にそんな気持ちが大きくなり、気付いたら僕も三人と一緒に笑っていた。