「…今日の可能性で、いっぱいいっぱいなのにね」
…心臓が、大きく跳ねるのがわかった。
明日可は心臓に爆弾を抱えている。
それは、いつ爆発するかわからない。
明日可はきっと、僕より何倍も『あの数字』を意識しているんだ。
「明日の可能性、未来の可能性なんて…あたしにとってはそんなの、夢でしかないよ」
明日可の白い指が、そっとコスモスに触れる。
トンッと、コスモスは揺れた。
僕には何を言うべきかなんて、わからなかった。
それでも…。
「…あるよ」
明日可の視線を感じる。
「明日可の可能性は…絶対ある。俺には、見える」
…はっきり言って、そんなの見えてなんかなかった。
自分の未来すら見えないのに、明日可の未来なんて見える訳ない。
それでも明日可には今、この言葉が必要だと思ったんだ。
「絶対、ある」
前を見たまま、僕は力強く言った。



