……………
凄いスピードで自転車を漕ぐ。
秋の風が、ひんやりとして気持ちいい。
僕はいつもの様に病院へ駆け込んだ。
「もうっ!最後まで怒らせるんだからっ」
看護師さんは、しょうがないという笑顔を僕に向けた。
僕も笑顔で会釈する。
ガラッと勢いよくドアを開けた。
「おそーいよっ」
…ベッドに腰掛ける明日可。
いつものパジャマ姿じゃなく、デニムスカートにカットソー。
髪も綺麗にブローしてあった。
毎日会っていたのに、久しぶりに明日可に会った気がした。
「…わりぃ」
何だか妙に照れくさくて、俯き加減に髪をクシャッとする。
「じゃ、いこっ」
明日可はぴょこんとベッドから降りた。
「お母さんに、荷物は頼んであるから」
そう言って、僕の手を引っぱった。
「…っしゃ。じゃあ、行きますか!」
僕も明日可の手を握る。
久しぶりに、2人は手をつないだ。
…目的地は、言わなくても決まっていた。



