コスモス



……………

「皆さん、夏休みはどのように過ごされましたか?有意義な休みを…」
「ふぁぁぁぁ」

校長の言葉は、タケの欠伸によってかき消された。

9月といってもまだまだ暑い体育館で、二学期が始まりを告げる。

「…なぁ、宿題終わった?」

僕はこっそりカズに話しかけた。

「終わったよ」
「たのむっ!数学だけ見せて!」
「なんでだよ…」
「終わんなかったんだよっ!昨日は…」

そこで一瞬口ごもった。

「昨日は?」

カズが僕に問いかける。

言える訳ない。

明日可とのキスに舞い上がって、宿題が終わらなかったなんて。

…いい笑いのネタだ。

「…とにかく、見せてくれよ。昼飯奢るから!」
「食堂のタダ券あるからいい」
「俺のおかげのタダ券だろ!?誰のおかげで水泳大会…」

瞬間、頭に懐かしい衝撃が走った。

顔を上げると、満面の笑顔のヒロミ。


「宿題がなんだって?」


ヒロミの笑顔に、僕もゆっくり笑顔を返した。