……………
夏休みはあっと言う間だった。
明日からは新学期。
僕は明日可の病室で、溜めに溜めた宿題と格闘していた。
「だぁからコツコツやりなって言ったのに」
「うるせぇよ!…つか明日可はやんなくていいのかよ」
ベッドの中から声をかける明日可に、僕は苛立つ声をあげる。
「だってもう終わったもーん」
「ずりぃよ!手伝ってよ!」
「自分でやんなきゃ力になんないよ?」
そう言うと、剥きかけのリンゴに手を伸ばした。
スルスルと手際よくリンゴの皮を剥いていく。
僕は頬杖をつきながら、白い明日可の手から滑り落ちる赤い皮を見つめていた。
「あ」
ふいに明日可が声をあげる。
ビクッとした僕は、急いでシャーペンを握り、宿題と向き合うふりをした。
そんな僕を気にする素振りは全く見せずに、明日可は続ける。
「そういえばさ、最近お土産持ってこないよね」
予想していなかった言葉に、僕は久しぶりに間抜けな顔をした。



