……………


「…休み中、羽目を外しすぎないようにな。以上!」


教室がざわつく。
梅雨はすっかり明け、カエルと蝉は選手交代した。

一学期が、終わりを告げる。

「くぁぁ~っ、終わった終わったぁ!」
「タケんち行こうぜ!」
「修ちゃんどうする?」

解放感丸出しのタケ達が周りに集まってきた。
冷房のきかない教室の中、下敷きを団扇代わりにして仰いでいる。

「あぁ、俺…」

答えようとした瞬間、ガタっと席を立つ。
教室から今まさに出ていく白いカッターシャツ。

「修?」
「わりぃ、先帰ってて!」

呆然とするカズ達をよそに、僕は廊下へ駆け出した。









「ヒロミっ!」

廊下を行く担任を、僕は呼び止めた。
走って近付く。

「先生と呼べ、先生と」

ヒロミは出席簿で、僕の頭をパシンと叩いた。

「先生さよならー」

女の子達が、僕たちの横を通り抜ける。
ヒロミは笑顔で彼女達に手をふった。


「…で?どうした?」

僕の方に向き直り、ヒロミは聞いた。