…生存率?

何だよそれ。

明らかに、死を意識した言葉じゃないか。

しかも、20年とか30年単位じゃない。


5年って…何だよ。





…「修平!」

カズの声で我に返る。
気付いたら授業はもう終わっていた。

ざわついた教室が、僕を現実へと引き戻す。

「…お前、大丈夫かよ?ちゃんと寝てんの?」

カズが心配そうに僕を覗き込んだ。

「瀬堂のこと…心配なのはわかるけど…」

カズだけは、明日可の病気について知っていた。
2人が僕の家に来た日、ミキが話したらしい。

タケ達には、言えなかった。

黙ってるのは、心苦しいが、
むやみやたらに口にしたくはなかった。

「ああ…わりぃ、大丈夫大丈夫」

僕はなるべく明るく振る舞った。
それでも、顔に現れる不安はどうしようもなかった。

「…瀬堂、今日学校来てんだろ?」
「…うん」

生返事。

「一緒に帰るんじゃねぇの?」
「…ああ」

次の瞬間、頭に衝撃が走った。
カズの拳骨だ。

びっくりする僕に向かって、カズは言った。