「え…、あ…は、い」
まじで最悪。
なんだよその間の抜けた返事。
あまりにも突然の出来事に、僕の思考回路はいつもに増して滞っていた。
そんな僕とは正反対に、落ち着いた彼女は丁寧な響きの声で言う。
「じゃあ、使っていいよ。あたし、折りたたみあるから」
彼女は手に持っていた水色の傘を差し出した。
華奢な白い手が、セーラーからのぞいている。
心拍数が、上がる。
「あ、いや、いっすよ!おかまいなく」
目の前で大げさに手をふった。
テンパりすぎだろ俺。
焦る現実の僕の中に、冷静に客観視する僕がいる。
そんな僕を見て、彼女は小さく微笑んだ。
空いているほうの手で口元を押さえる。
笑われた…。
まじ、だっせぇよ。
落ち込む僕とは反対に、彼女は笑いながら話しかけてきた。



