鏡-kagami-


「なぁ」

みなとの顔がいつもより近くて戸惑った。
でも緊張してるってバレたくなくて。


ちょっと顔を反対に向けて、「何?」とそっけなく聞いた。


自分の顔が赤くなっていくのが分かって恥ずかしくなった。




「俺の事好きじゃない?」



・・・え?!
な、なんで?

みなとはパニクってあたふたしたるかの手をガシッと掴んだ。


「なんでこっち見てくれないの?」


「ふふっ」

甘えた子犬みたいな目で真剣に見てくるみなとがかわいくて。
大好きだって思った。ずっと一緒にいたいって思った。



「~っ!何笑ってんだよ!」

顔を真っ赤にして怒るみなともかわいくて。
いとおしくてたまらなかった。