恋する乙女は大変だな、なんて思いながら、キーホルダーが売っているコーナーを見るとにした。
「うわぁ、これ可愛い。あっ、これも」
なんて独り言を言いながら、地方のキャラクターのキーホルダーを見ていた。
「これ、おもしろい。…………荒ちゃんに似合うかなぁ」
荒ちゃん、その名前を口にするだけで少し胸が切なくなる。
もう会えないかな?
この修学旅行中に何度も心で思ってしまった言葉。やっぱりさ、一度でも姿を見てしまうと、もう一回見たいって思っちゃうじゃん。
ダメだな、あたし。
ふっと笑って手にしていたキーホルダーを元の位置へ戻した。それから店内を物色していた。
キーホルダーやお菓子の限定ものにはつい目がいって、買っちゃったのもあるんだけどね。
荒ちゃんのは買ったし、いいっか。……いや、お菓子コーナーの珍しいお菓子を買っていこうかな。そう思って向かおうとしたら、
ドンッ
誰かとぶつかってしまった。


