「じゃあ、まだ出発まで時間があるから、お土産コーナーとか名物とかも見ていいぞ!」
やった!思わずガッツポーズをしてしまったあたし。まだこの地にいられるー!
「麻帆っ!あのさ、ちょっとお願いがあるんだけど……」
すると、ひーちゃんから申し訳なさそうに声をかけられた。
「サッカー部の男女で写真を撮りたくて。撮ってくれないかな?」
「いいよ!さてはひーちゃん……」
「アタリ。宝賀くんとの写真が欲しかったの」
小さくウインクをして、サッカー部の部員を集めるひーちゃん。積極的だけど消極的な面もあるひーちゃん。
宝賀くんってば、早くひーちゃんの気持ちに気づいてくれないかな?
「はーい、じゃあみんな寄って!」
まるでカメラマンにでもなったかのように、あたしは指示を出した。


