「…………なぁ、その顔やめてくんない?」 すると、隣から鋭い言葉の矢がぶっ飛んできた。もちろん、永松だ。 「永松ーやっぱり辛いぜぇ!」 「だったら行って来いよ」 「ヤダ!無理!見つめとく!」 「あっそ」 「待てよ、やっぱり一言だけ!」 「もう勝手にしろ」 そして自分との葛藤を繰り広げたり、気を紛らわすためにクラスの奴等と騒いだりしている間に、 『それでは着陸いたします』 飛行機は着陸体制に入ってしまった。そう、イコール俺は結局麻帆に近づけなかったのだった。