「もうお前のこと放っておきたいと思ってるんだけど?」
「ダメだ!見放さないでくれ!」
「……わかったから、少し黙れ」
ふぅっと再び息を吐き、目を閉じた永松。ん?様子がおかしいな。
「永松、気分悪いのか?」
「…………」
「おい、永松」
「うるせー。眠いだけ」
そうだ。コイツはそういう奴だった。ていうか、人が相談してる時に寝るなよ!って言いたいけどやめとこ。
そして永松からアイツの元へ首を伸ばして視線を移す。笹田じゃねーぞ、麻帆にだ。
今は麻帆の後頭部しか見えない。でも、通路側に座っているからか、たまにチラチラと横顔が見える。
意外とこの席、いいポジションじゃん。
麻帆が笑っている。その笑顔を同じ空間にいて見ることが出来る。
まるで、中学ん時に戻ったようだ。


