ゴンッ
すると、誰からかゲンコツを食らった。痛ぇ、誰だよ?笹田か?不機嫌MAXでその人物を見てみると、
「な、永松!?」
なんと、永松がいたのだ。
「どうしたんだよ」
「それはこっちの台詞だ。トイレでお前のクラスの奴に会ったら、そいつがかなり怯えてたけど?」
ギクリ。
それ、もしかして笹田じゃねーの?
「今は荒嶋の隣に行きたくないって泣きすがれて、席を替わることになった」
「お前が隣に来るのか?」
「強制的にそいつを連れてきた方がいいか?」
「怯えてるみたいだし……遠慮する」
ったく、と呟いて隣に腰を下ろした永松。そして離陸を知らせるアナウンスが流れ、反対側の席の奴も戻ってきた。
飛行機かぁ、ワクワクするなぁ!……じゃなくて!今はそんな暢気なこと言ってる場合じゃないじゃねーかよ。


