そして、隣に座った笹田を思いっきり睨んで、備わっていたイヤホンに手を伸ばす。
「何だよ。あ、荒嶋どうしたんだよ」
「あぁ?何でもねぇよっ」
「荒嶋だけに荒れてる☆……なんちゃって」
「お前、喧嘩売ってる?」
「……ジ、ジュース頼もうかな」
そう言った笹田の奴は、マッハで席を離れてトイレへ向かった。おいおい、ジュースはどうしたんだよ。
笹田のいなくなった席をチラ見して、大人しくイヤホンを耳にした俺。
あ、この曲麻帆が好きそう。おっ、この曲は麻帆が好きな曲じゃん……って、どれだけ麻帆尽くしなわけ、俺。
同じ機内にいるのに遠い。
もうこの際、堂々と麻帆ん隣をゲットしてやろうか。いや、それはアイツに迷惑かけるしな。
あーどうしたもんか!


