「その様子じゃ図星だな」
「あ、当てる方が気持ち悪いんだよ!」
「当てられない方もすごいだろ」
くだらない言い合いをしながらバスの座席に座った。もちろん永松の隣をキープ。
「あれ?荒嶋じゃね?なんでうちのクラスにいんの?」
「おー。実は担任に潜入捜査を依頼されて」
「は?潜入?」
「大事な役…」
「座席が足りなくてこっちに来ただけだろ」
永松ー!?俺に声を掛けて来た奴は永松の珍しいツッコミに爆笑していた。
『あーあーマイクテスト中。えーっと2ー3全員いるかぁ?』
「先生、2ー2の荒嶋が乗り込んでいまーす!」
『荒嶋ぁ?おい、お前はなんでここにいるんだ?』
「担任に追い出されましたー」
『俺も手に負えないんだがなぁ。座席が足りなくて残念だったな!ははっ!』
てゆうか、このバスにいる理由知ってんのにわざわざ聞くなっての。
「荒嶋、人の行動には意味があんだよ」
すると、隣にいた永松が窓の外を見ながら呟いた。
「は?あの先生の行動が?」
「あぁ。よく考えろ」


