あたしは春貴の言う通り、荒嶋くんのことが好き。
無邪気に笑う荒嶋くんが、春貴と冗談を言い合うお日様みたいな荒嶋くんが好きなんだ。
当然、気持ちを伝えられているわけがない。あたしは傍観しているのだ。
春貴みたいに片想いをしてるけど…春貴みたいに積極的ではない。
だから少しだけ、春貴のことを尊敬する。
「おーい、康也のことばっかり考えんなよ。イヤラシイあ·さ·ほちゃーん」
「ちっ、違うもんねっ!バカ春貴!」
シャーペンを握りしめて課題に飛び付いたあたし。
やっぱりさっきの取り消し。春貴なんか尊敬しないんだからっ!
────────…
「お、終わったぁ」
シャーペンと課題を投げ出して、あたし達は大の字で仰向けになった。
……てゆうか、あたしは何のために春貴の課題をやってあげてるんだろう?


