「ねぇ!絢子」
「何よ」
「今日一緒に帰ろうよ」
「は?」
ほとんどひーちゃんと帰るし、藍ともたまに帰ったことがある。だけど、絢子とは一度もなかった。
「用事ある?」
「あ、あるにはあるわよっ」
「そっか」
「で、でも、帰ってやってもいいよ」
ぶっきらぼうだなぁ、本当。
「じゃあ、正門で待ち合わせね♪」
「ん」
小さな約束だけど大きな喜び。今日はひーちゃんには断ろう。そう思って教室に帰ると、
「麻帆ー!今日、サッカー部の子と遊ぶから一緒に帰れないや!」
タイミングよく断りの言葉。
「あたしも絢子と帰る約束しちゃってて」
「よかったぁ!楽しんでね♪」
「うん。あ!ひーちゃん……その……」
「大丈夫、みんなに紛れて渡しました!!」
親指を立ててgoodサインをするひーちゃん。よかった。渡せたんだね。


