「え……」
その文字を見た瞬間、周りの音が聞こえなくなった気がした。
「どうしたの?麻帆」
固まったあたしを気にして、ひーちゃんもその紙に目を通した。
「……え、これって……」
──────『お前にそっくりなの見つけた。ポケットにあるから』
最初はイタズラだと思った。でも、この字には見覚えがある。
「これ……荒ちゃんだぁ……」
中学の頃、ずっと見ていた字を忘れるわけがない。胸がキュンとしてしまう。
「あたしにそっくりなの?何だろう」
ブレザーについてるポケットの中を探しまくっていると、
「あっ」
左ポケットに何かが入っているのがわかった。もしかして、これ?
「うわぁ……ブサイク」


