「荒ちゃん……いつもあたしのこと……考えてくれてる……」
泣きたくなった。そんなに泣き虫じゃないのに、今は泣きたい。
店員さんに話すなんてバカだよ。聞いたこっちは照れちゃうんだよ。
「麻帆、それってノロケ?」
「泣きノロケってことで」
「あははっ!何それー」
すると、あたしの肩をポンポンっとたたいて、ひーちゃんが優しく抱きしめてくれた。
「荒嶋くんが麻帆のことを考えていてくれて当たり前でしょ?そうじゃなきゃ、あたしが許さない!サッカーボールで蹴っ飛ばしてあげるよ!」
「ふふっ、ありがとう」
友達っていいね。
話を聞いてくれて、あたしの気持ちもわかってくれて。本当に感謝してる。
「それはそうと、麻帆」
「ん?何?」
「さっきから気になってたんだけどさ、それ何?」
ひーちゃんがあたしの肩を指さして聞いてきた。


