「なんでも、この修学旅行で彼女の姿を見たそうですよ」
ラッピングはあちらで、と言った後にそう言われた。
彼女の姿を……見た?
ふと、手元の『飛び出せ!チョコっとマン!!』を見つめてしまった。
いやいや、あり得ない。同じ状況の人も世の中にはたくさんいるんだ、うん!
「ちなみにこのお土産は?」
「姉と……彼氏です」
「ふふっ、彼氏さんへですか。もしかしたらさっきの方かもしれませんね」
「それはないですよ。いくら同じ修学旅行だからって」
「その方がお金を出す際に、お財布から少し幼いあなたの写真が出てきました」
え?
「早く会えるといいですね」
荒ちゃん……なの?
ラッピングされた包みを持って、放心状態でひーちゃんの元へ帰った。
「麻帆!遅かったねー?」
「うん」
「ん?どうした?」
「ひーちゃん、あのね?」
「うん?」
「荒ちゃんがね、あたしと同じお土産を買ってたの」
「あ!かぶっちゃってショックになってるの!?えー気にしなくていいじゃん」
「ち、違くて……」
不思議そうにあたしの顔を見るひーちゃん。


