大好きな君にエールを*番外編






『飛び出せ!チョコっとマン!!』を眺めながら、荒ちゃんの笑顔を思い出していた。


冬休みが待ち遠しいな。


会ったらまずおかえりを行って、それから修学旅行のことや部活のこと、荒ちゃんのモテ状況を聞き出して。


荒ちゃんと話したいことはいっぱいある。


でも、それを距離と時間が許してはくれない。


苦しくなるくらい寂しくても、会いたいと嘆いても、時計の針を止めても、


荒ちゃんには会えない。


だから、この修学旅行はあたしにとって奇跡だった。嬉しくて泣きたくなった。


あ、やばい、今も泣きそうになった。ゴシゴシと涙を拭き、順番を待った。


「次の方」


呼ばれて、2つの面白いお菓子をレジへ出した。


「このお菓子、今日は買われる方が多いですよー」


「そうなんですか?」


「はい。先程も高校生が買われましたよ。なんでも彼女にあげるんだ、とか」


「え?これをですか?ちょっとセンスの無さに……」


「笑いますよね。でも、次に会える時に彼女を笑わせてやりたいんですって言っていました」


そう言って、1250円ですねとお金を受け取った店員さん。


次に会える時……その人も遠距離なのかな?