「す、すみません!失礼しま……」
「俺の友達にも遠距離の奴がいる」
え?
「だから、頑張れ」
何も知らないはずなのに、何もかも知られている感じがしたのは気のせいだろうか?
「え?なんで頑張れ?」
「だって……」
「早く行こうぜー」
するとタイミング良く、その人は同じ学校の人に呼ばれた。
「アンタの友達以上の奴、知ってると思うから」
そう言い残して、あたしの前から去った彼。
え?どういうこと?知り合い?誰と誰が?よくわからない人もいるんだね、花龍って。
「わっ!麻帆!」
「び……っくりしたぁ、ひーちゃん」
「なーに浮気してんの?」
「浮気じゃないよ!ただぶつかっただけー」
「話してなかった?」
「花龍の人ってわかって、一方的に話しかけてた」
「えー逆ナン?」
「もう!違うのー!」
この時話した彼が、荒ちゃんとバッテリーを組んでいた永松くんだと知るのは、まだまだ先の話。


