『ちゃんと捕まってろよ?』 そう言って尚人はバイクを走らせた。 あたしはとっさにギュッと尚人に抱き着いた。 夕方の空は薄暗くて、夕焼けが綺麗だった。 バイクで風をきる感触が気持ちいい。 あたしはいつも気取っているのに 今はすごい興奮してはしゃいでいた。 『きゃぁーっ 尚人、バイク最高だねっ』 抱き着きながら叫んだ。 尚人は、抱き着いてるあたしの手に ポン、ポンと触れた。 多分返事をしてくれたんだろう。 それだけなのに、すごくドキドキして嬉しかった。