車の中では、あまり会話がなかった。

ただ、静かな音楽が流れていて、あたしは流れていく景色が見知らぬ世界に変わっていくのを見つめていた。


あ、この曲知ってる……


『この曲、カバーですよね?』


「………あぁ。知ってんのか」


『はい。この歌、好きなんで。原曲よりも好きです』


「俺もだ」


そう言うと咲樹さんは微かに笑った。


その横顔は、とても綺麗だった。