君と彼と彼女とあたし。

 

 あ・・・やばい。


 そう感じて携帯を開いた。
 でも遅かった。

 もう10時・・・



 「大丈夫じゃ、なさそうだな・・・」

 「あっ・・・はい、そうですねっ!」



 あたふた状態だ。

 どうしよう、どうしよう。

 そればかりが頭を駆け巡る。




 「ちょっ・・・ちょっとまっ・・・」




 あたしは走った。

 電車が今、発車するところだった。

 


 
 「おいっ!もう無理だっ・・・危ないっ!!」





 黄色の線から出て必死に電車に乗ろうとした。

 でも、彼が止めた。

 あたしの腕を掴んでる。





 「なっ・・・今、絶対に行けた。」

 「ぜってー無理だった、ってかたぶん君・・・死んでたよ。」

 「そんなコト言われたって。」

 「学校より自分の命だろーが。」





 いままで遅刻なんかしたコトなかったのに

 今日初めて遅刻した。