人目も気にせずに熱いキスをする。


「お前は俺だけの物なんだからな」


頭を撫でて言うと、結衣は笑った。

「うんっ!」


そこで響くアナウンス音。

「‥行かなきゃ。」


そう呟くと、結衣は寂しそうな顔になった。


「またね‥祐くん。」

「おう」


やばい、泣きそう。
泣く前に行こう。


荷物を持って足早にその場を去る。


その時にも結衣の叫ぶ声が聞こえたけど、振り向かなかった。


振り向いたら絶対泣くから。