「七瀬…」 俺は七瀬の口元の手を取ろうとした。 バッと、払われる俺の手。 「いやっ…!放して!!」 そう言って俺を見上げた七瀬の瞳からは、 涙が一粒流れた。 俺に、さっきより数倍強い衝撃が走った。 ─俺、何した…? 七瀬泣いて… さっきまでの、笑顔は……? ぐちゃぐちゃになった頭の中。 ただはっきりしていたのは、七瀬の唇の感触で。 触れたくて、もう一度。 七瀬に。