〔雫〕
いよいよ、10月がやってきた。

桃の誕生日だ。

自分で稼いだ金でプレゼントを買いたい。

つまらない意地を張って、頑張ったバイト。

結局、ネックレスを買った。

男の俺が言うのもなんだけど、可愛い羽がモチーフのネックレス。

喜んでくれるといいけどな・・・

「雫、今日はバイト無いんだよね?」

「ああ もう終った 臨時だったし」

「そっか・・・」

「じゃあ、今日は二人で制服デートしますか?」

バイト中、かまってやれなかったお詫びにと、俺は桃とショッピングに出かけた。




「雫、ちょっとあそこ見てきていい?」

桃が指差したのは、雑貨屋。

「ああ」

俺も桃の後をついて行く。

結構広い店内で、色々なものが売っていた。

「あっこれ、可愛い」

桃が見たのは、輪に正五角形が入っているキーホルダー。

「ドリームキャッチャーって、言うんだって」

「へ~」

しきりにそれを眺めてる桃。

「よし、買おう」