相変わらず、先輩達はにぎやかだ。

そんなことを思いつつ、優と大した話もせずに弁当をつついていた。


「なぁ松村、バイトしねぇ?」

「バイト、ですか?」


クルっとこっちを向いた桐谷先輩はおもむろに言った。

僕が頭をハテナでいっぱいにしていることに気付いた先輩は、接客業だよ、と笑った。



「…はぁ」

「お前今月ピンチだっつてたろ?」

「あ、まぁ」

「俺の兄ちゃんが経営してるカフェなんだけどさ、短期でもいいからバイトが欲しいっつてんだよね」


頼めば時給も上げられるよ、との先輩の言葉に気がついたら頷いていた。