『お待ちかねの新作だ!コイツなら盗聴、逆探知は不可能だ。』


『こんなに小さいのにすげーな…』


右京は耳に装着するとシンディからコートを受け取った。


『こっちも新作よ。アランからも指示されたから、背中にスリットを入れたわ。』


そう言って右京がコートを着るのを手伝ってくれた。


『なんで背中が破けるのか不思議ね~』

『クロウとヒューガはよく動くからだよ。』


アランがシレッとして適当に答えたのを聞いて、ロイは吹き出しそうになるのを堪えていた。





アランは自分のラップトップから警察署に見取り図を表示させた。


『一階は夜でも人も多い。侵入するとなると屋上の通気口だろう。』


慎重派のアランは情報を得るために危険を冒すことはしないタイプだ。おそらく今回が初になる。


『署内のどこに何人の警備が居るかわからないが、侵入した証拠は残さないように。』

『了解。資料室はどこだ?』

『二階の突き当たりのはずだ。だが鍵がかかっている。よってこの作戦はヒューガと2人で行ってもらう。』

『オーケー。俺が警備を誘導すればいいんだな?』

『虎太郎が居た方が楽だ。コイツはクレヤボヤンス(千里眼)が使える。』


右京がそう言うと、ロイは『そりゃ~いい!』と喜んだ。